黒田幼稚園エッセイ
おひさまにこにこ
園長のエッセイ バックナンバー
子育てはあっという間
過日、静岡県私立幼稚園PTA連合会総会がありました。
講演会では、育児漫画家・イラストレーターの高野 優(たかの ゆう)先生の
笑いあり涙あり・・・。のお話を、「うん うん ある ある そのとおり」と 子育て経験者のばぁばの立場から拝聴してまいりました。
今日は、講師の先生から子育て真っ最中のおうちの方へのメッセージをお伝えします。
子ども達が幼いころは、いつだって「自分の時間が欲しい!」と嘆いてばかり。
あの日からかなりの年月が経ち、今では時間をたっぷり持て余しているほど。
そんなときにふと思うのは、「おかーさん」と、わたしを呼ぶ甘くて高い声。
できることならもう一度、赤ちゃんだった娘を抱っこして、添い寝をして、
一緒に夢の世界へ冒険にでかけたい。
それが叶わないから、子育てはあっけなくて、こんなにもせつない。
「お母さんじゃなくっちゃイヤ!」「お父さんがいい!」
まっすぐな目で、そんなことを言うのは、たった10年。
そのあとは背中に羽でも生えたかのように、
家族から友人のもとへ、外へ 外へと飛び立っていくはず。
羽を広げる日が訪れるまで、一日 一日を大切に 紡いでくださいね。
昔、年上の方から何度も言われたあの言葉。
「子育てはあっという間よ!」
今度は、わたしからあなたへこの言葉を届けます、バトンのように。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
愛情袋のはなし
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
あっ!虹だ
5月の終わり 晴天の続いたある日の午後だった
昼食後の外遊びをしていた 年長さんが
『 にじだ! 』指さす方向を見ると くっきり 太い きれいな虹
( これは みんなで眺めたい )
けい子ばぁばは 思わず 副園長先生にお願いした
♪ピン ポン パン ポン♪
「 ようちえんの おともだち ・・・・・ 」
たくさんのお友達と メルヘンの世界を楽しんだ
降園時間が近づいた時
職員室に 年少の男の子が おえかき帳を持ってきた
「みて みて」 「なあに?」
そこには さっきの虹が 描かれていた
「 わぁ ステキ 」
つぎに またまた 年少さん
「 ぼく これで さっきの にじをとったんだ 」
彼の手には 空き箱でつくったカメラが
「 いいね いいね 」
年長組では
「 はれたそらなのに なぜ? 」「 にじは たいようが みずにはんしゃするんだよね 」
「 あめじゃないのに なぜ? 」
( なんでだろう? )の担任の言葉に
つぎの日 なぜを調べて教えてくれた 子どもたち
こんな 学びの連続が 幼稚園で繰り広げられている
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
ピンクの心で
新しい年度が始まり、一か月半が過ぎました。
緊張しながらも園の生活にやっと慣れ、『やれ やれ』と、胸をなでおろしたのもつかの間、連休明けには『涙!涙!』 おうちの方からすると「どうしたの?何かあったの??」・・・・。
心配するおうちの方の気持ちはよく分かります。でも今子どもたちは、全身で幼稚園の生活に順応しようと毎日精一杯頑張っているのです。朝グズグズ言ったり、涙が出てしまったりすることがあるかもしれませんが、一日中涙を流している子は一人もありません。ご心配になるかもしれませんが大丈夫です。
大人も子どもも同じですが、『心の安全基地』が十分確保できていることが、会社や学校や幼稚園でのびのび自分らしく生活できるエネルギーになります。だからこそ、家庭での心の安定(安らぎ)が一番大切なのです。家庭は居心地のいい場所でなくてはいけないのです。
いつもニコニコしていられればいいのですが、思うようにいかないことの方が多いですよね。イライラしたり、困ったり、心配したり、悲しかったり・・・・。おうちの人も人間ですもの。
まずは手始めに
子どもの心の安定につながる『心のパイプ強化法』を試してみることをお勧めします。
その1・・・夜寝る前はにっこり笑って『大好きだよ』と言って寝かせてあげましょう。
その2・・・食事の時間は『おいしいね』と言って家族で楽しく食卓を囲みましょう。
その3・・・出かける時は『(気を付けて)行ってらっしゃい』に心をこめましょう。
この春、満開の桜の花を見た年長さんが、
『 せかいじゅうに さくらのきをうえたら
みんな ピンクいろ になって
けんか も せんそう も なくなるのに 』 と、つぶやきました。
なるほど、本当にその通りだと、その純粋な心に感心しました。
始業式の終わりに、この話をして『みんなが一年間ピンク色の心でいられるように』と約束しました。
どの子もみんな、おうちの人のパワーを全身で感じて、まあるい心で登園したら、安心して楽しい一日を過ごすことができますね。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
いいとこ探し
「恵まれている」ことを数えてみる
・マイナスに目が向くと、心は満たされない。
・「これもある」「あれもある」「こんなにある」
見つかった分だけ、きっと幸せになる。
ある本の、こんな言葉が心に残りました。なるほど,そのとおり同じものを見ても、 同じ環境にあっても、自分の心もち一つで良くも悪くも考えられるということです。
悪いトンネルに入ってしまうと、どうしても抜けることが難しい事もありますよね。
12月も半ばになり2022年も残り少なくなりました。
発表会を終え、子どもの一生懸命な姿・頑張っている姿・愛らしい姿を目の当たりにして胸がいっぱいになりましたね。
改めて、4月からの子どもの姿を振り返って、たくさんの「できた」「頑張った」「よくやった」を数えてみてください。
ゆっくり《いいとこ探し》をして子どもを認め・褒める機会にしていただければ嬉しいです。 見つかった分だけ、きっと幸せになれます。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
自己肯定感
コロナ禍の生活も3年目。
園生活一つとっても、あれもできなかった、これもできなかったとつい数えてしまいます。感染対策をしながら、何とかできるようにと話し合いを重ね、工夫をしてぎりぎりまであきらめないで検討するのですが、思うようにいかない事も多くあり保護者の皆様には申し訳なく思います。園内では形を変えて子ども達の楽しみや気持ちに寄り添い、教育効果を狙って保育を進める日々です。
先の見えないこの状況にストレスを感じる方も多いかと思います。しかしどうにもならない事に対して心を乱すより、ポジティブに見つめ直すことで良かったことや育ったことも見えたりします。
まずは、お母さんたちが、どこかで肩の力を抜いて無理をしないことです。
そして 頑張っていることを自分で認め、「よし よし よく頑張った。偉い 偉い これでよし。」と頭を撫でて自分を褒めてあげてください。
「無理はしない」は、ストレス対策の基本です。家庭を守る役割を担うお母さん達にとって、自分を守ることも大切な仕事です。
そうすることで、心のゆとりができ自己肯定すると、
わが子の良いところも、そうでないところも全部丸ごと認めてあげることができて、母・子の良い循環が生まれます。「大丈夫 あなたはあなたそれでよし」と魔法の言葉をかけてあげてください。
運動会で緊張して動けなかった子・涙が出ちゃった子・おうちの人から離れられなかった子など、それぞれにその子なりの思いがあったのです。全部まとめてそれでよし♡
大きな愛で受け止めてあげてください。
そのような関わりが、子どもの自己肯定感を育てます。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
✿ハグのすすめ✿
子どもと十分なスキンシップをとっていますか?
『すき すき 大好き』 『ぎゅ ぎゅ~♡』 ・・・のあれです。
ぎゅっと抱きしめたり、ハグしたり、手をつないだり、抱っこしたり・・・・。
スキンシップをすることで 『オキシトシン』 というホルモンが分泌されます。
「愛情ホルモン」とも呼ばれる『オキシトシン』はリラックスした気持ちで肌を触れ合うことにより双方の脳内に分泌します。
親子の間なら愛着(情緒的な絆)関係が深まり、
『お母さん(お父さん)がいてくれるから安心』 … 親はこの世の安全基地
⇓
『自分はそうしてもらえる価値のある人間』 … 自己肯定感がつくられる
⇓
『お母さん(お父さん)がいてくれるから安心』 … 拠点(両親)を中心に冒険する
オキシトシンの効果
・幸せな気分になれる
・良好な人間関係を築く
・脳や心が癒され、ストレスが緩和する
・学習意欲と記憶力向上
・不安感や恐怖心が減少する
・感染症予防につながる
・他者への信頼の気持ちが増す
・睡眠を促し、質の良い眠りをもたらす
・社交的になり、人と関わりたいという好奇心が強まる
さあ!今日から家族みんなで 『すき すき だ~い すき ♡ 』
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
✿あたりまえのことがあたりまえにできる✿
「しつけ」とは何でしょう?
なぜ「しつけ」をするのでしょう?
考えたことはありますか?
「しつけ」とは、親の言うことを聞かせることでも、親の思う「いい子」にすることでもありません。
「しつけ」は子どもが自立して、幸せに生きることができるように、基本的な生活習慣や社会的なマナーを親が子どもに伝える行為です。
「はきものをそろえる」
はきものをそろえると心もそろう
心がそろうと はきものもそろう
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
だれかがみだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう
そうすればきっと
世界中の人の心もそろうでしょう
「○○ができるようにさせる」という、目に見える形以上に“心に響く伝え方が大切だ”ということを知った瞬間でした。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
『いってらしゃい』に心をこめて
新しい年度が始まり、一か月半が過ぎました。子ども達を見守る“けい子ばぁば”の目には、たくさんの頑張りが映っています。
緊張しながらも園の生活にやっと慣れ、『やれ やれ』と、胸をなでおろしたのもつかの間、連休明けには『涙!涙!』 おうちの方からすると「どうしたの?何かあったの??」・・・・。心配するおうちの方の気持ちはよく分かります。でも今子どもたちは、全身で幼稚園の生活に順応しようと毎日精一杯頑張っているのです。朝グズグズ言ったり、涙が出てしまったりすることがあるかもしれませんが、一日中涙を流している子は一人もありません。ご心配になるかもしれませんが大丈夫です。
大人も子どもも同じですが、『心の安全基地』が十分確保できていることが、会社や学校や幼稚園でのびのび自分らしく生活できるエネルギーになります。だからこそ、家庭での心の安定(安らぎ)が一番大切なのです。家庭は居心地のいい場所でなくてはいけないのです。いつもニコニコしていられればいいのですが、思うようにいかないことの方が多いですよね。イライラしたり、困ったり、心配したり、悲しかったり・・・・。
まずは手始めに子どもの心の安定につながる『心のパイプ強化法』を試してみることをお勧めします。
その1・・・夜寝る前はにっこり笑って『大好きだよ』と言って寝かせてあげましょう。
その2・・・食事の時間は『おいしいね』と言って家族で楽しく食卓を囲みましょう。
その3・・・出かける時は『(気を付けて)行ってらっしゃい』に心をこめましょう。
≪ 寝る前・食事の時・送り出す時は、子どもを怒ったり、泣かせてはいけない場面だそうです。≫
お母さんの心のパワーを全身で感じて、子ども達は今日も安心して楽しい一日を過ごすことができるのです。
年少さんはもちろん、年中さん、年長さんも新しい環境の中で、自分の居場所を一生懸命探しているところです。子どもを独り立ちさせるための、子離れ・親離れの時ですね。親も子どもも、もう少しの辛抱です。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
新しい一歩へのねがい
暖かい日ざしが園庭の子どもたちを包み、無邪気にはしゃぐ子どもたちの姿にいとおしさを感じます。
4月はどの子も環境に慣れることや自分の居場所を見つけることに精一杯で、涙が出たり・登園を渋ったり・・・・。お家の方の心配は絶えなかったことと思います。一年が過ぎようとしている今、確実に自信をつけて成長をした子どもたちがいます。
春休みから4月、5月は、新しい年度に向け希望や期待が大きい反面、心配や不安で子どもたちの気持ちは揺れ動く時期です。
子どもたちは言葉や答えを出してほしいのではなく、そっと寄り添って、その気持ちに共感してほしいのです。
ありのままの子どもを認め、愛してあげてください。
親の愛は受け止めることです。
それは子どもを全面的に肯定すること。それによって信頼関係が生まれます。
全ての始まりはそこからです。
『いつでも、お父さん・お母さんが支えてくれる。』と心のつながりが感じられたら、子どもは自信をもって前へ進んでいけます。
ひとり一人の子どもが、今ここにいる奇跡に感謝しつつ、この先の健やかな成長を一緒に見守っていきたいと思います。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
おたんじょうび おめでとう
世界中の誰もが持っている特別な一日。
『おたんじょうび』
みんな にっこり うれしい笑顔。
心の中までほっこり 暖かくなる
私の大好きな、ことば
『おたんじょうび おめでとう』
(生まれてきてくれて ありがとう) の思いをこめて
娘が二十歳の日
『お誕生日おめでとう』のことばに
「生んでくれてありがとう」
思いがけないことばに 今までの思いがあふれた日になった。
私たちは日々の生活に追われ、当たり前の毎日に感謝の気持ちを忘れてしまいがちです。
子どもが誕生したその時の思い。
奇跡が重なって生まれてきたかけがえのない命。
あなたがいてくれることが嬉しい。
生まれてきてくれてありがとう。
黒田幼稚園のおともだち229人の誕生秘話がある。一人ひとりのお誕生日の日には、その存在を認め、出会った喜びを胸に《素敵な一年になりますように》の願いを込めて。
『おたんじょうび おめでとう』の言葉を掛けたいと思っています。
けい子ばぁばの「にこにこ子育て奮戦記」 より
園長 吉野 けい子
令和3年度スタートによせて
満開の桜が大きく空を舞いピンクの絨毯を敷いた園庭が、温かく優しく子どもたちを迎えて2021年度がスタートしました。
世界中が新型コロナウイルスの脅威にさらされて一年になりますが、いまだ終息の見通しが 立たず、今年度もコロナ対策をしながらの園運営になります。しかし「コロナだからできない」のではなく、「コロナでも工夫してできる」「コロナだからこそ育った」と考えられる新たな挑戦をしていきます。
幼稚園は、お子さまにとって初めての学校です。独り立ちできるようになるには、親から離れて集団で遊び・学ぶことによって、人や物との関わり方を知ることから始まります。私たちは自分の クラスだけでなく、在園するすべての園児の特徴を把握して、保育者全員で保育をする「一園 一学級」の精神を大切に保育に臨んでいます。また優しく、丁寧に子ども自身が納得のいく指導を心掛け、聞き入れる力・行動に移せる力をつけ自己肯定感を高める指導を進めています。
本園は規模としては大きい園ですが、アットホームな人的環境で子どもたちを包み、一人ひとりが安心(安定)して園生活を楽しめるような保育を目指しています。
園長 吉野 けい子